中国の結婚式~朝から晩まで~

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夫の親友の結婚式に参加したので、覚え書きとして残します。

日本とは全然違ってびっくり!

 

地域や家庭によってやり方は異なると思うので、ご参考までにお願いします。

目次

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招待状

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ペーパーレスな招待状。
受け取った人は演技の良いアイテムや红包でお祝いします。このアイテムたちは、抖音や淘宝の直播でよく見るあの感じですね。
「全て新郎新婦の婚礼費用になるのでご安心ください」とのこと。

前撮りした結婚写真がたっぷり使われています。
この写真たちは、披露宴の会場でも受付からスクリーンから、あらゆるところで使われていました。
日本だと前撮りはしない人もいると思うんですけど、中国では必須なんだなあと思いました。記念という意味だけでなく、実際に結婚式で使うので……。

 

一日の流れ

6:00

新郎&伴郎、新婦&伴娘はそれぞれの家で仕度

それぞれ専属のカメラマンが仕度風景の写真やムービーを撮影

7:00

新郎宅を出発、新婦の家へ

新婦&伴娘は新郎到着までに仕度&撮影を終え寝室に閉じ籠る

8:00

新郎到着後、伴娘は妨害、新郎&伴郎は红包で気を引いて寝室に突入

その後、伴娘が出す課題(ゲーム)をクリアで求婚可

8:30

新婦両親と挨拶したり縁起物を食べたりする儀式

9:00

新婦&伴娘を連れて新郎宅へ出発

新郎両親と挨拶したり縁起物を食べたりする儀式

11:30

ホテルでの披露宴

ムービー撮影

18:00

伴郎伴娘+親しい友人を招いて食事

22:00解散!

 

という感じで1日がかりの結婚式でした。

前日も部屋の飾りつけや当日の流れの確認などがあります。

 

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ここでは分かりやすく6:00と書いてますが、スケジュール上は全て末尾が8で予定されていました。中国らしい!

 

これらの時間は、占い師が縁起の良い日を占って決めるそう。

私は占いを信じていない側の人なので、適当なこと言ってるんじゃ……とか、本を見れば自分でも調べられるんじゃ……とか色々なことを考えてしまいますが、本当のところどうなんでしょう。

 

伴郎と伴娘

いわゆるブライズメイドとグルームズマン。

親族だったり親友だったりしますが、一応未婚であることが本来の条件のようです。

夫は既婚ですが、伴郎をつとめました。

 

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伴郎をはじめ役割がある人ブローチをつけているので、誰が何をするのか一目で分かります。

 

ちなみに、伴「娘」というのは、新郎新婦を中国語では新郎新娘と呼ぶから。必ずしも伴娘が女性、伴郎が男性でなくとも良く、「新娘伴郎」といった言葉もあるそうです。

新郎新婦と行動を共にするのはもちろん、新婦を連れ出す「亲迎」の儀式で大活躍します。

 

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他にも忙しく仕事をする……のはいいのですが、伴娘との共同作業の多いこと!

 

新婦を連れ出す「迎亲」

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新婦は赤い中国の伝統的な衣装を着て新郎を待ちます。最近は水色やクリーム色なんかも流行っているみたいですね。

 

新郎は新婦を迎えに来ますが、簡単に連れ出すことはできません。

そもそも、新婦の寝室に入るのにも伴娘の妨害があります。

なので、ドアの隙間からひたすら红包を差し込んで、どうにか侵入しなければなりません。

伴娘は「太少了!太少了!」と叫んでさらに红包を要求します。

最後は新郎たちのタックルで扉が開きました。

みんなガタイがいいから……。

 

食パンを食べてLOVEの形にするゲーム。

紐を引っ張って、この先にあるドリンクを飲み干すゲーム。

風船に飛び乗って割るゲーム。

口にプラスチックの枠を嵌めて文章を読むゲーム。

アイマスクをして口紅を塗るゲーム。

最後に靴を探してプロポーズ。

という流れでした。

 

進行役は伴娘で、新郎は伴郎+友達と一緒に挑みます。

このゲーム中も、新郎側は红包の賄賂を渡してゲームの難易度を下げようとしていました。

 

この儀式の舞台は新婦の実家。

新婦が外国人の場合は、ホテルの一室などでもいいようです。

 

義両親に茶を捧げる「敬杯」

無事プロポーズをしたら、次はご両親にご挨拶。

お茶を捧げたり、腰带、つまりベルトを結んでもらったりします。

義両親から新郎または新婦に红包を渡し、「阿姨」「叔叔」と呼んでいたのを「妈妈」「爸爸」と呼び改める儀式があります。

 

新郎新婦&伴郎伴娘で「水饺」と「宽面」を食べます。新婦家族の手作りです。

水饺は昔のお金、元宝に形が似ているから。「宽面」は宽心、つまり広い心を持ちましょうとの意味があるそうです。


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テーブルの上には縁起物が並べられています。

伴娘が手にしているのは新婦ご両親から娘への贈り物だそう。食べるもの飲むもの使うものが入っている……らしい。

 

コロナの影響で私の家族は来中の見通しが全く立たず、式の予定も立てられず。

実は、来年無理なら私の家族は抜きで式を挙げるのも一つの選択肢かなあ……というのが私と両親の見解だったのですが、これは両親必須ですね。

オンライン敬杯は流石にちょっと、ね……。

 

移動

今回はベンツでした。新郎新婦用の車が白で、他は黒。リボンや花で装飾されています。

運転手がついていて、各移動の時にずらーっと行列して走ります。

 

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新郎新婦が到着すると、待ち構えていた楽器隊が演奏を始め、獅子舞が踊り出します。

まあまあ新郎新婦の目の前で踊る時間が長くて、私もこれを見るのか……と少し困惑。すごいことはすごいんですけど、長い。しかも何回かある(笑)

 

中国人的にはどうなんですかね?「ついに私の目の前で獅子舞が踊る日が来たのね……!」って感じに、なる……?

 

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沿道では祝砲部隊が待機。作動させると色紙が舞います。「囍」の形をしたものや、ハート型のものも。

新郎宅ではハンドバズーカー型で、披露宴会場のホテルでは砲台型でした。

 

披露宴

会場となるホテルのロビーには、前撮り写真を使ったビッグパネルがありました。参加者は迷いようがないですね。

 

出席者は受付の箱に红包を入れて入場します。

红包に名前を書き忘れても受付にペンの用意があるし、割りと出入り自由なので、入れるタイミングも後でも大丈夫そうでした。

夫の親友なので2人で2000元包みましたが、普通の友達なら1人辺り600元とか800元なんかでもいいようです。

 

受付のボードで自分のテーブルを確認して席に着きます。

指定があるのはテーブル番号のみで、その中ではどこに座ってもいいようです。

 

そうそう、新郎のお母様はお着替えなしでしたが、新婦のお母様は披露宴時にはお着替えなさっていました。色はお二人とも赤。

これは、母に前もって伝えておいた方がいいかもしれません。母が真っ赤な服を着ている姿なんて、一度も見たことがないですが……。着てくれるかな?

 

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メインステージの横には、前撮り写真のスライドが流れるスクリーンが……。

いわゆる引き出物はなく、喜糖盒と呼ばれるお菓子ボックスをプレゼントします。

 

お食事の料理は中華料理でした。特に開始の合図があるわけではなく、料理が運ばれてきたら好きに取って食べ始めていいそうです。


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そして新婦の入場。ウェディングドレスを着ての登場でした。

お父様が会場に向けて手を降りながら、新婦をエスコートします。まるでファンサ……。もっとこう厳かな感じを想像していたので、ちょっとびっくり。でも中国ではみんなこんな感じらしい。

これはあらかじめ父に伝えておかないと、「あら~娘さんの結婚式なのにムスッとしちゃって」って感じになっちゃいますね……。

 

新郎新婦のために扉を開けるのは伴郎の役目です。

他にも、新郎新婦が各テーブルをお酌して回るときには彼らが飲むワインを持って付き添います。

このお酌はお色直し後で、新婦は動きやすいドレスを着ていました。

 

新郎新婦の父親がスピーチしたり、上司がスピーチをしたり。この辺りは日本と同じですね。

新郎新婦がお互いに向けて手紙を読む場面もありました。

 

当日の仕度風景を撮影した撮れたてムービーも。

サングラスをかけてキメッキメな新郎側と、「红包ちょうだーい♥️」な新婦側のシーンもありました。

 

何度か生歌のコーナーも。司会の人も一曲歌っていてビックリでした。日本だと、自ら歌い出す司会ってあまりいないような。

 

ブーケトスは伴娘たちと伴郎&その妻がステージに上がり行われました。未婚の女性みんなじゃなかったのが意外。

でも、せっかくなら近しい人に受け取ってほしいですよね。そう考えると納得かも。

私も参加して良いの……?という感じでしたが、婚礼がまだならいいのかもしれません。

 

最後はゆるゆると記念撮影をしながら流れ解散です。

 

お食事

伴郎伴娘や、結婚式を手伝った友人たちを招いて食事します。

いつもと違うのは、乾杯の言葉が結婚に関するものだったことと、お酒がワインだったことくらいで、いつもの食事と同じ感じでした。

 

本当はここで伴郎へのお礼の品を渡すはずが、忘れてしまったそうで。さらに後日、そのお礼の品はお腹を空かせた新郎が食べてしまったらしい(笑)

 

この食事会は家族は参加しないので、家族が翌日の休みを取れなかった場合、式が終わり次第夜の飛行機で日本に帰ってもらう……なんて強硬スケジュールもありかもしれません。

 

感想

日本では、「結婚しました」=「入籍しました」ですよね。

中国人は、入籍にあたる婚姻登记ではなく、結婚式(婚礼)のことを「结婚」と言います。挙式で法的な婚姻関係が認められる国でもないのに何故……と思っていましたが、その理由が良く分かった1日でした。

 

あとですね、話の本筋には関係ないんですけど、伴郎として働く夫が格好良かったです。好き……。